加藤 清次
アキュテック株式会社 技術部
動的コーン貫入試験は、ロッド先端にとりつけたコーンをハンマーの打撃によって地盤に打ち込み、貫入量と打撃回数から地盤の硬軟、締まり具合を調査する試験である(図–1)。ただし、標準貫入試験のような土試料の採取ができないため土質判別はできない。動的コーン貫入試験には、鉄研式動的コーン貫入試験や、オートマチックラムサウンディング、すでに基準化されている急傾斜地の調査で実施される簡易動的コーン貫入試験(JGS1433–2012)など様々ある。2014年に地盤工学会が新基準として1打撃当たりの単位面積エネルギーに応じて、大型動的コーン貫入試験、中型動的コーン貫入試験を定め、簡易動的コーン貫入試験とは別途、動的コーン貫入試験方法(JGS1437-2014)として制定した。本稿では、この大型・中型動的コーン貫入試験について概説する。
大型動的コーン貫入試験は、一般に「オートマチックラムサウンディング」(写真–1)と呼ばれているものである。もともとはスウェーデンで開発された試験(SwedishRam Sounding, SRSと略される)で、1974年に日本に導入された。また、中型動的コーン貫入試験は、一般に「ミニラムサウンディング(Mini Ram Sounding, MRSと略される)」(写真–2)と呼ばれるもので、1997年に日本で独自開発された。大型、中型動的コーン貫入試験機には、全自動、半自動、手動式など様々な仕様があるが、代表的な仕様を表–1に示す。
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動的コーン貫入試験[1.5 MB]