6. 三成分コーン貫入試験

高田 徹
(株)設計室ソイル

三成分コーン貫入試験とは

戸建住宅の地盤調査は、標準貫入試験(SPT)や土質試験よりも、簡便性や経済性を重視してスウェーデン式サウンディング(SWS)が用いられる。このSWS主体の調査の流れは、今後もしばらくは続くと思われる。
一方、三成分コーン貫入試験(Cone PenetrationTest:CPT)は調査精度と経済性を兼ね備えた調査法として、海外で有名な調査法である。しかし国内での利用は極めて少なく、その存在すら知らない技術者も多いと思われるが、利用価値は比較的高い。その理由として、SPTや土質試験はボーリングを併用するため時間と費用が多くかかるが、CPTは貫入ロッドに取り付けたコーンを圧入するだけで地盤性状が把握できるからである。またSPTやSWSは地上で貫入抵抗値を測定するのに対し、CPTはコーンに内蔵されたセンサーで、直接貫入抵抗値を測定する。CPTは、貫入ロッドの重量や周面摩擦の影響を受けない唯一のサウンディング手法だと言える。
CPTが普及しない要因は、SPTやSWSにはその測定値から構造物の基礎設計が可能な基準や指針類が豊富にあるのに対して、CPTにはそのような資料が少なく、実務で使用し難いことや、住宅地など狭小地向けの小型機を所有している調査会社が少ないことも一因である。
上記の背景を踏まえ、本稿では、CPTの試験方法とその留意点について概説する。

三成分コーン貫入試験

 

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