9.土懸濁液のpH試験・土の強熱減量試験

垣内 広志
アキュテック株式会社

はじめに

 構造物の設計や施工において、技術者は地盤に関わる問題に対処しなければならない。地盤に関わる問題として、概ね次の5つが挙げられる。
 ・材料としての問題
 ・支持地盤としての問題
 ・安定の問題
 ・地下水の問題
 ・地盤環境の問題
 これらの問題を解決するには、土の性質を把握することが必要であり、そのために室内土室試験が行われる。室内土質試験は、土の物理的性質を求める試験、土の力学的性質を求める試験、土の化学的性質を求める試験と大きく3つに分類される。
 本稿にて紹介する「土懸濁液のpH 試験」、「土の強熱減量試験」は土の化学的性質を求める試験で、地盤環境の状
況把握を目的とした土質試験であり、植物の育成や土中構造物の劣化、セメント系固化材等による地盤改良工法の改良効果の判断要素の一つとなる。戸建住宅の地盤調査においては、あまり馴染みのないものであるが、概要を知っておくことにより、地盤補強工法の選択にも役立つものである。

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