「沖積層」は新しい時代の地層だからまだ固結していなくて軟弱であることが多いと言われ、逆に「洪積層」は古い時代だから硬い地層と言われます。
そこで「沖積層」はどの時代のものか整理してみました。 日本の縄文時代に何千年もかけて海面が上昇しそして後退していったこと(縄文海進・海退)と大いに関係があることが分かります。
ウルム氷期最盛期(1.8~2万年前)以降に堆積して形成された地層。地盤は未固結で、広域的な圧密沈下や地震による液状化がしばしば問題となる。
1.8~2万年以前の堆積物(第四紀)により構成されている。主によく締まった砂礫層や過圧密粘性土層からなり、一般に良好地盤であることが多い。
大きな沖積低地の臨海部では、沖積層は以下の5層に分けられることが多い。
1. 沖積層基底礫層
└2万年前~1万8千年前の低海面期に谷底に堆積した河成の砂礫層
2. 下部砂層
└海面上昇により河口が上流側に移動し、谷底平野であったところが三角州や氾濫原地帯となったために堆積した砂層や砂泥層
3. 中部シルト・粘土層
└さらに海面が上昇し、水没したために堆積した内湾性の軟弱なシルト・粘土層
4. 上部砂層
└海面上昇速度が小さくなり、内湾の埋立が進んだ段階で堆積した三角州性 または海浜性の砂層
5. 沖積陸成層
└完全に陸化した後に川の氾濫によって堆積した地層や泥炭など
下図の濃い青の部分が沖積層(沖積低地)。
東京低地、中川低地、荒川低地、加須低地、利根川低地、九十九里浜などが該当する。