齋藤直樹
(株)三友土質エンジニアリング
不同沈下修正工法としては、基礎下部から修正を行う「アンダーピニング工法」「耐圧版工法」「薬液注入工法」・基礎上部か修正を行う「土台上げ工法」がある。コスト・地盤条件・施工条件等で工法は選定される。今回は「耐圧版工法」の施工事例を紹介する。
今回の事例は、谷底低地に盛土(約3.0m)で造成された宅地であり、建築後約2年で120mm程度の不同沈下量が発生していた。測量図を図-1に示す。
沈下原因としては、造成後の経過年数も新しく、盛土下部地盤においてもN値=2前後を示す軟弱な粘性土層がGL-15m付近まで分布しており、盛土下部地盤の軟弱層の圧密沈下により不同沈下が生じたと考えられた。土層断面図を図-2に示す。
今回の事例においては、造成後の経過年数も新しく、今後も沈下が進行すると判断されるため、「アンダーピニング工法」により沈下修正を行うことが望ましいと考えられたが、盛土造成が大径礫を多く混入する砂礫層で行われており、「アンダーピニング工法」による沈下修正工事は鋼管の圧入が困難であり不適当と判断されたため、再ジャッキアップを前提に「耐圧版工法」を採用することした。耐 圧版配置図を図-3に示す。
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耐圧版工法による不同沈下修正工事例[1.0MB]