森 利之
ハウス技研通商(株) 技術士(建設部門)
古くから大阪は「水の都」といわれる地勢的背景がある。難波八十島(なにわやそじま) と呼ばれるほど数多くの島や洲が発達し、淀川水系の河口の三角州上を利用することで河川・海上交通網の要衝として、大陸諸国との交易拠点として栄えた歴史は飛鳥時代にさかのぼる。(図–1)このような地理的な背景のもと、昭和初期~ 40 年代の高度経済成長の過程で地下水摂取量が増大したため粘土層の圧密による地盤沈下や、昭和9年以降の室戸台風など多くの水害災害を経験してきた。近年に至っては人工的な盛土などによる対策を実施して土地活用の利便性を拡充している。本稿では大阪における地盤の地域性を概説するとともに、宅地住宅の地盤調査と地盤補強の取り組みを紹介する。
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大阪における宅地基礎地盤の設計補強対策[1.3MB]