12. 関東ローム

小川 正宏
報国エンジニアリング(株)

はじめに

 関東地方一帯に分布し、第四紀における火山活動による火山砂屑物を起源とする火山灰質粘性土は、「関東ローム」と呼ばれている。しかし、ローム(Loam)という言葉は火山起源の風化堆積土だけを表しているわけではなく、本来は粘土分・シルト分・砂分を適当な割合で含む、広範な粒径の粒子からなる土のことを指す。しかし、土木・地盤の分野において、関東地方に存在する赤土を粒度特性から関東ロームと呼んでいたが、後に火山性土であることがわかったため、火山灰質粘性土をロームと呼ぶようになった。ロームは岩手、蔵王、信州、山梨、大山など、地域名や起源の火山名を関した名称が付けられている。そのため、同じロームという名称であっても、地域や起源の火山によってその性質は様々である。火山灰質粘性土の分布図を図–1 に示す。ここでは、「関東ローム」の特性について紹介する。

 

 

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