11. 新潟市の平野部造成地と軟弱地盤

坂井 直人
アキュテック(株)

はじめに

 新潟平野は越後平野とも呼ばれ、日本海側沿岸に細長く広がる海岸平野である。信濃川、阿賀野川という日本で有数の河川を抱えているが、下流域には扇状地があまり見られず、自然堤防や海岸沿いの砂丘が発達している。これらの発達により潟が多く形成され、これが“新潟”の地名の由来にも深く関わっているとされている。
 地形的に新潟市の大半は平野部(越後平野)であり、古くから稲作が盛んで水田が多くみられる。市街地・住宅地は水田や潟を埋立て造成されており、旧版地形図や航空写真からもそれらが確認できる。(図–1)
 日頃から地盤業務に従事する技術者は、このような経緯から、新潟市が軟弱地盤であることを容易に想像できる。新潟で住宅地盤の調査・補強業務に携わる私達は、この軟弱地盤を要因とした様々な問題に日々直面しており、その事例をここに紹介する。

 越後平野

 

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