長野県の地形・地盤


長野県の地形・地盤

長野県の地形・地盤

無断転用・転載を禁止します。

●地形
 長野県内では、日本列島の大きな地帯構造をつくっているフォッサマグナ地帯*1と中央構造線*2とが交わり、地形区分上の大きな要素をなしている。また、地形の大きな特徴として、山地(火山地を含む)と盆地(台地・低地)の対照が著しく、丘陵地の分布はきわめて限られている。山地は総面積の84%を占め、長野県は山国である。
 県北東部は、フォッサマグナ地帯に属している。同地域の山地は、1000m〜2000m級の山地で、ここには浅間山、八ヶ岳などの火山が分布する。フォッサマグナ地帯の西縁には、糸魚川−静岡構造線という大断層が走っている。この構造線に沿って、姫川盆地・松本盆地・諏訪盆地が分布し、低地(扇状地性低地、氾濫平野など)が構成されている。また、同地域のほぼ中央には千曲川が北流し、これに沿って佐久・上田・長野・飯山の諸盆地が分布して一連の低地を構成している。
 県南西部の地形は、日本アルプスと呼ばれる赤石、木曽、飛騨の3000m内外の山地が南北に並送している。山地の間には木曽川、天竜川が南流する。天竜川流域には台地・低地が本流沿いに分布し、南北に長い伊那盆地を展開している。

*1.ラテン語で「大きな溝」の意。日本列島の形成過程で列島を南北に分断するように生じた溝。現在の状態は、古生代・中生代の古い地層に形成された溝が、新生代の新しい堆積層に埋積されている構造であり、地層構成は極めて複雑。(詳細は下記リンク先を参照下さい。)

*2.関東から紀伊半島、四国を経て、九州へと連なり、日本列島を縦断する大断層。上記フォッサマグナとは諏訪湖で交わる。(詳細は下記リンク先を参照下さい。)

 

●地盤
・山地
 県内の大部分を占める山地部では、各種岩盤類や礫層が基盤を形成し、その上位に火山性の粘性土や岩盤類が風化した土砂が被覆している。宅地として利用する場合は造成が必要となり、自然地盤と人工的な盛土部のバランスに注意する必要がある。

・台地
 岩石や砂礫で構成される段丘面で、一部にロームを被覆している。ロームの厚さは、地域や段丘面が形成された時代によって異なる。
 戸建住宅の地盤として考えた場合は、台地は良好な地盤を形成しているといえるが、表層付近に黒ボク土(有機質土)が厚く分布していることもあり、沈下に対して注意する必要がある。

・低地
 主要河川沿いに発達する氾濫原には、砂質土・粘性土を主体とする軟弱地盤が分布しているため、基礎形式の選定は、慎重に行なう必要がある。
 扇状地では、主に砂礫層が分布し、戸建住宅の地盤として考えた場合は良好な地盤を形成しているといえる。しかし、扇状地の扇端部は氾濫原堆積物(砂質土や粘性土)と互層状に堆積していることがあり、注意する必要がある。

 

   参考文献
   「縮尺20万分の1 土地分類図付属資料(長野県)」(発行:財団法人 日本地図センター)
   参考Web

都道府県別地形・地盤解説 全国地図へ


作成者情報
Copyright(C) 2001 GEOTECH Co.,Ltd. All rights reserved.
最終更新日:2001/06/06