神奈川県の地形・地盤


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神奈川県の地形・地盤
 
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●地形
 神奈川県は関東平野南西部に位置し、三浦半島を境として、東縁を東京湾に、南縁を相模湾に接している。県内は関東平野外縁にあたる山地が覆う県西部と平野部にあたる県東部とに大別される。地形区分は山地、丘陵地、台地、低地より成り立ち、県南西端では特徴的な火山地の形成もみられる。

 県西の北部山岳地を形成するのは関東山地に連なる丹沢山系の山々であり、県内最高峰の蛭ヶ岳(標高1673m)をはじめとして、丹沢山(同1567m)、大室山(同1588m)などを含む1500-1600m級の大起伏山地が展開して、断層活動を経た険しい山容を呈している。 山地は南に標高を低めて、秦野盆地に至り、さらに県西の南部沿岸部に接する小規模な丘陵地地形、大磯丘陵へと続く。
 大磯丘陵の西側には酒匂川下流低地が分布し、これを挟んで、酒匂川右岸には三重の式の外輪を従えた箱根火山地が位置している。

 丹沢山地の東縁以東は平野部をなし、県央を南流する相模川右岸には山地裾野に分断された伊勢原台地が、左岸には広大な相模原台地が分布し、河川流域は発達した沖積低地となっている。相模原台地の東方には多摩丘陵が南延して、三浦丘陵へと連なり、三浦半島を形成している。県東端の多摩川右岸域には武蔵野台地の南端にあたる下末吉台地が分布している。

 

●地盤
・山地
 各種岩盤類が基盤を形成し、その上位を黒ボク土や森林性有機質土、岩盤風化土砂などが被覆している。 一方、火山地では主に火山活動由来の火成岩類が基盤となり、火砕流・泥流堆積物などが広く分布する。
 宅地利用に際しては、造成による地盤状態の改変を考慮し、自然地盤の状態と人工的な盛土部分とのバランスに配慮した慎重な対応が必要である。

・丘陵地
 山地に比べ起伏量の小さい部分。基盤構成はほぼ山地に準じ、上位を黒ボクやローム土が被覆する。
 宅地利用に際しては、造成による地盤状態の改変を考慮し、自然地盤の状態と人工的な盛土部分とのバランスに配慮した慎重な対応が必要である。

・台地
 砂礫や泥流堆積物により形成された地形面(洪積台地・段丘面など)の上位に、火山灰質の関東ロームが厚く分布する。ロームの層厚は、被覆している下位地形面の形成年代や地質構造によって、大きく異なる。
 住宅地盤としては良好と考えられるが、ロームの分布地域では地表付近を黒ボク土(有機質土)が厚く被覆する場合もあるため、注意を要する。

・低地
 河川流域や開析谷および沿岸部に分布し、いわゆる沖積層を成す。
 河川によりもたらされる土砂や浸食二次堆積土を主体とし、砂や砂礫、砂質シルトなどを混在することが多い。
 住宅利用を考えた場合、軟弱地盤を形成していることが多いため、基礎形式の選定は特に慎重に行なう必要がある。

 

   参考文献
   「縮尺10万分の1 土地分類図付属資料(神奈川県)」(発行:財団法人日本地図センター)
   「地質と調査 通巻第79号/1993第4号 連載10-神奈川県の地盤」(発行:土木春秋社)
   「日本の地質3 関東地方」(発行:共立出版株式会社)

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最終更新日:2006/04/05