●地形
福井県は本州日本海沿岸部の中央付近に位置し、山地が広く分布し、森林面積は75%に及ぶ。
敦賀市北東の木の芽峠を境として、北〜北東部の「嶺北地域」、若狭湾に沿った南西部の「嶺南地域」に分けられ、それぞれ異なった地形的特徴を示す。
嶺北地域は隆起構造の地形であり、同域東部には北方より両白山地が延長し、標高1,600〜2,000m級の山地・火山地を含む山地帯を展開する。山地帯の中央付近には地殻変動や河川開析により大野盆地と呼ばれる低平地が形成されており、現在は岐阜県側から九頭竜川が、周辺山系より真名川などの小河川が流れ込んでいる。
九頭竜川は、盆地内で真名川などの小河川を合流、さらに山地帯を抜ける付近では今庄町より北流してきた日野川を合流して、東尋坊の南で日本海に注いでおり、流域には低地(扇状地・氾濫低地・三角州)が発達する。特に九頭竜川河口から日野川流域には、南北方向に広大の沖積低地が形成されており、福井平野と呼ばれる。また、嶺北の南部沿岸には丹生山地が火山地を含む低山地を展開し、その山体は隆起過程で形成された段丘を伴って、直接海中に没している。
嶺南地域は沈降構造の地形を成し、野坂山地が標高1,000m以下の低山地帯を展開する。また、若狭湾に注ぐ河川の多くが河口付近に狭い低地(敦賀、小浜、三方湖付近など)を形成している。海岸線は細い入江や湾、小さな半島が複雑に入り組んだリアス式海岸の様相を呈する。
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