愛知県の地形・地盤


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愛知県の地形・地盤

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●地形
 愛知県は日本列島の形成に深く関わりのある中央構造線の延長上に位置しており、著しい造山運動を経た地域に属する。県東部を流れる豊川に沿って、渥美湾を通過する中央構造線により、地質構造上、豊川以北を西南日本内帯、豊川以南を西南日本外帯と呼び、区別される。

 地形的には、侵食の進んだ標高1,500mに満たない穏やかな山容と河川流域に発達する平野部の分布を特徴とする。

 山地は県東部(ほぼ矢作川以東)に広がる三河山地が主なものであり、県北の岐阜県境などにも分布する。県内最高峰は茶臼山(標高1,415m)である。
 丘陵地は県北端より南へ張り出す尾張丘陵および知多半島までの地域に分布し、定高性を持つことが特徴である。
 平野部は県西部の木曽川・庄内川中下流域に発達する濃尾平野、県央の矢作川西岸下流域の岡崎平野、県東部の豊川河口部の豊川平野などがあり、いずれも河川の運搬泥土が堆積した低地となっている。平野部周辺では段丘状ないし台地状の地形が形成されており、丘陵地同様に小河川による開析谷が分布する。

 

●地盤
・山地
 各種岩盤類などで形成された基盤の上位に、森林性有機質土あるいは侵食作用により流出した二次的土砂が堆積する。
 宅地地盤としての性状は、形成年代や発達過程(土種、層厚、成層状態)により異なるが、一般に、表土や二次堆積土が厚い場合、固結土層が存在する場合、傾斜地を造成する場合には、慎重な基礎選定が必要となる。

・丘陵地
 基盤構成、表層地質とも山地に準じる。
 宅地利用に際しては、造成による地盤状態の改変を考慮し、自然地盤の状態と人工的な盛土部分とのバランスに配慮した慎重な対応が必要である。

・台地(砂礫台地・低位段丘面など)
 岩石や砂礫で構成される段丘面で、河川流域の周辺部に形成される。
 戸建住宅の地盤として考えた場合は、浅い深度から均質かつ密な礫質層が形成されていれば、問題は少ないといえるが、不均質な場合や表層付近に二次堆積土が分布する場合には、沈下に対して注意する必要がある。

・低地
 河川流域のいわゆる氾濫原や河口付近では大量の土砂が供給されて、軟弱な粘性土や緩い砂が厚い軟弱層を形成することが多く、長期的な沈下に対する十分な注意を要する。山間や段丘の開析谷では腐植土や有機質土の分布のほか、侵食流出した二次堆積土が被覆する傾向もあるため、地盤状況の把握が必須である。
 住宅地盤を想定した場合、地盤補強等の対策を要することが多い。

 

   参考文献
   「縮尺20万分の1 土地分類図付属資料(愛知県)」(発行:財団法人 日本地図センター)
   「日本の地質5 中部地方II」(発行:共立出版株式会社)

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最終更新日:2004/04/21