成田 誠
(株)トラバース 技術設計部
千葉県といえば、千葉県マスコットキャラクターの「チーバくん」から形を連想する方も多いだろう(図–1)。千葉県の東と南は太平洋に面し、西は一部東京湾、北西と北は、江戸川と利根川があり、海と川に囲まれている。千葉県を形づくる海や川は、長い歴史の中で大きく変わってきた。特に縄文時代中期の千葉県域は、現在の形状とは大きく異なり、「島」に近い状態だったと考えられる(図–2)。
縄文時代中期には、現在の平野部は海中にあり、台地や丘陵部の縁が入り組んだ海岸線を形成していた。そのため、多くの貝塚が現在の海岸線から離れた台地上に存在している。関東地方縄文海進貝塚分布図(図–2)を見ることで、当時の海岸線を視覚的に確認することができる。
2013 年に文化庁が発表したデータによると、奈良文化財研究所による調査では、日本全国に存在する遺跡は46万5021ヵ所にのぼる。そのうち貝塚は3946ヵ所に存在し、特に千葉県の貝塚の数は739ヵ所と全国最大であり、日本で確認されている貝塚のおよそ2割が千葉県に集中している。このことからも、縄文時代の千葉県がいかに豊かな海産資源に恵まれていたかが分かる。
千葉県は平地の割合いが高く、平均標高は全国一低い。それは、千葉県全域のうち標高100m 以下の割り合いが85% を占めていることからも確認することができる(表–1)。そのため、広大な平地を利用して、多くのゴルフ場が設けられており、千葉県は有数のゴルフ場所有県とされている。それに対して、山地の割合いが15%と低く、400 mを超す山は愛宕山(408.2m)のみで、これに次ぎ鹿野山(379 m)、清澄山(377 m)、二ツ山(376 m)、丸山町御殿山(363 m)など三百数十mの山が高い部類に入る。
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千葉県の地形地質と戸建住宅の地盤対策[3.4MB]