渡辺 佳勝
(株)トラバース 東海大学建築学科非常勤講師
標準貫入試験は、米国にて始められたロッド打ち込み試験を参考に1951年頃に導入され、日本の地盤に対する適用性が確認された(特殊土を除く)ことから急速に普及し、ビルやマンションなどの一般建築物および土木構造物を建築する際には必ず実施される地盤調査法となった。1948年の時点で、terzaghi and peck1)(テルツァーギ・ペック)により、N値と地盤物性および支持力等の関係が発表されており、その後も各種地盤定数との関係性についても確認されたことから、原位置試験としての価値は広く認知されている。更に標準貫入試験は、他のサウンディングと異なり、ボーリング孔を利用した試験法であることから試験時に土を採取することが出来るという非常に優れた特徴を有している。
このように、標準貫入試験は万能で優れた調査法ではあるものの、コストの制約が大きい小規模建築物では、実施されることは希である。しかし、度重なる震災の影響から、地盤に対する関心度や要求性能が高まり、最近では採用される件数も増えてきている。そこで本号では、標準貫入試験の内容や留意点を述べると共に、試験(ボーリング)時に並行して行うことが出来るその他の試験についても概説する。
全文をPDFファイルでご覧ください。ダウンロード可能です。
標準貫入試験[1.6 MB]